５人が死亡した焼き肉チェーン「焼肉酒家（さかや）えびす」の食中毒事件で、運営会社のフーズ・フォーラス（金沢市、特別清算手続き中）は１９日、肉を卸した大和屋商店（東京都）を相手取り、損害賠償を求めて３月中旬に提訴する方針を明らかにした。食中毒の被害者にも参加を呼びかける。

　フーズ社の弁護士らがこの日、金沢市内で開いた被害者向け説明会のあと、報道陣に明らかにした。フーズ社は昨年１２月に大和屋を相手取り、３億円の損害賠償を求める調停を東京簡裁に申し立てた。だが大和屋に協力姿勢がみられないため、裁判に切り替える。

　また、被害者や遺族に支払う補償金の原資となる民間からの保険金が、従来の見込みより５千万円ほど多い１億６千万円程度まで増える可能性があることも明らかにした。保険の特約条項を精査した結果という。遺族や被害者からは、これまでに約４億２千万円の補償金を請求されている。（生田大介）

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