鳥取・米子の衰弱コハクチョウ　鳥インフルを検出
　鳥取県は１８日、同県米子市安倍で今月４日に衰弱した状態で見つかったコハクチョウの幼鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された、と発表した。鳥取大がウイルスを分離して検査した結果、毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザウイルス（Ｈ５Ｎ１亜型）が検出されたという。

　県によると、コハクチョウが発見された場所は、１１月末に鳥インフルが発生した島根県安来市の養鶏場から中海を挟んで約７キロ東にある。中海には越冬する渡り鳥のコハクチョウの群れが今年も飛来しているが、県は「安来市での感染との関係は分からない」としている。

　これを受け、農林水産省はコハクチョウが見つかった場所から半径１０キロ以内を「監視区域」に指定。１８日から区域内にある養鶏場に立ち入り検査を実施している。農水省によると、区域内には島根県も含まれ、養鶏場は鳥取側に４戸（計約７万７千羽）、島根側に１戸（約４万２千羽）あるという。１８日夜の時点では、養鶏場の鶏には異常は確認されていないという。

　鳥取県によると、コハクチョウは４日、住宅のベランダで衰弱状態で見つかった。住民から通報を受けた県が米子市内の県西部総合事務所に収容したところ、５日午後４時ごろに死んだ。簡易検査では陰性だったが、鳥取大の検査で陽性と判明したという。コハクチョウは家畜ではなく野鳥であるため、県は「現段階では家畜伝染病予防法上の殺処分や鶏の移動制限は実施しない」としている。

　今年に入り、野鳥では１０月に北海道稚内市でカモのふんから鳥インフルエンザウイルスが見つかっている。今月１６日には、富山県高岡市の動物園でコブハクチョウからウイルスが見つかった。


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