不明の日本人２７人に　日本からの救助隊到着　ＮＺ地震
　【クライストチャーチ＝塚本和人】ニュージーランド南部のクライストチャーチ付近で起きたマグニチュード（Ｍ）６．３の地震で倒壊し、富山外国語専門学校生らが閉じ込められたビルの救出活動について地元警察は２３日、近隣の建物が倒壊する危険性があるなどとして中断した。余震が続くなど、被災地での救出活動は難航している。キー首相は同日、国家非常事態宣言を発令し、一帯に夜間外出禁止令も出した。

　２３日現在の死者は７５人、行方不明者は約３００人。うち、不明とされる日本人は２７人となっている。石川県は同日、語学研修中の金沢市の北川泰大（やすひろ）さん（３９）と連絡が取れないと発表した。奈良女子大学（奈良市）によると、文学部２年の学生（２０）と連絡がとれていない。富山県出身で、富山外国語専門学校の学生らとともにキングス校で研修を受けていた。このほか、同校に個人留学中の１９歳と２３歳の女性２人も安否不明。

　富山の専門学校生らが語学研修を受けていたカンタベリー・テレビ（ＣＴＶ）ビルについて、地元警察当局者は「死者が１００人を超える可能性もある」と地元メディアに語った。

　しかし、警察当局者は同日午後、近隣の建物が余震や火災で倒壊する危険性があるため、「生存の可能性がない人々のために隊員を危険にさらしたくない」と報道陣に語り、他の現場に隊員を振り向ける考えも示した。

　一方、枝野幸男官房長官は２３日午後、「今夜にも（救出活動が）再開されることになったと承知している」と述べた。在ニュージーランド日本大使館は、同日深夜に活動が再開されたとの情報を得ているという。

　ただ、ニュージーランド政府当局者は朝日新聞の取材に対し、同日夜にＣＴＶビルの地下部分から出火したため、約３０人の消防隊員が消火活動を行った事実を確認したが、救出活動については「一時中断したままだ」と述べるにとどまった。今後、活動を再開するかどうかについては明確なコメントを避けた。同ビルで活動してきた救助隊は市内の別の６カ所の建物での救出活動に振り分けられるとの見方を示した。



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