天皇陛下、薬で治療「日常生活に支障なし」
　天皇陛下は１１日、東京大学医学部付属病院（東京都文京区）で、心臓の周りにある冠動脈の精密検査を受けた。宮内庁は「冠動脈全体に、ある程度の動脈硬化があり、部分的に血管が狭くなる狭窄（きょうさく）が見つかった」と発表した。

　ただ、激しい運動を行わない限り症状がないことなどから、血管を広げるカテーテル治療やバイパス手術などは行わず、薬の服用で様子をみるという。経過観察のため病院に１泊し、１２日に退院する予定だが、その後の日常生活に支障はなく、今後も無理のない範囲でテニスなどの運動を続けてよいとしている。泊まりがけの公務などについては「身体の状況を考えに入れながら一つ一つ考えていくことが必要」としている。

　金沢一郎・皇室医務主管と永井良三・東大教授（循環器内科）の説明によると、精密検査は１１日午前１１時４０分から約３０分間行われた。左手首から動脈にカテーテルを通し、心臓の冠動脈に造影剤を注入して血流や血管の太さを調べた。その結果、動脈硬化や狭窄はあったが、狭窄部分は血液を供給する範囲が比較的狭かった。検査結果と治療の効果を総合的に判断した結果、当面は投薬による治療を進める方針を決めたという。

　天皇陛下は１月、東大病院での定期健診で、激しい運動をすると冠動脈の血液が流れにくくなる「心虚血状態」になることがわかり、精密検査となった。この日は皇后さまに付き添われて病院に入り、一緒に病状の説明を受けたという。


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