桜の開花、平年並みか早め　ウェザーマップ予想
　民間の気象会社「ウェザーマップ」（東京都港区）が２１日、第１回の桜の開花予想を発表した。今年は平年並みかやや早めになる見通しという。気象庁が予想から撤退し、民間各社は独自の計算式や手法を駆使して予想の正確さを競う。２月中旬までには各社の予想が出そろう。

　昨年から参入したウェザーマップは、気象庁が観察し、過去のデータも豊富な標本木がある全国５４地点のうち３８地点の予想を発表した。開花日が最も早いのは福岡、熊本、高知の各市（３月２３日）で、東京都心と名古屋市は同２５日、大阪市は同２７日。２月から３月にかけて、寒気と寒気の間が長くなり、花芽が成長すると分析している。

　桜の開花は気温に影響され、春までの気温の推移を読むことが重要になる。同社は１万通りの気温の推移を想定して、開花する確率が最も大きい日を算出する。

　昨年は２月から暖かい日が続き、高知市で早咲きのタイ記録が出た。同社は３月１日時点の予想で東京の開花日を的中させたが、３月中旬に寒の戻りがあり、東北などの予想で精度を欠いた。担当者は「寒気が入る予想はできたが、その強さを読み切れなかった」と話す。

　２００７年参入の財団法人・日本気象協会（同豊島区）も気象庁の標準木を中心に予想。つぼみの生育状況を観察し、気温の推移を予測したうえで、計算式にあてはめて開花時期を見極める。約８０地点を予想する予定で、２月上旬に１回目の発表に臨む。担当者は「他社と比較してもらうことで切磋琢磨（せっさたくま）できれば」と語る。

　０４年に民間で初めて予想に乗り出した「ウェザーニューズ」（同港区）は今年も、サポーターと呼ばれる市民らからの情報を活用する。全国の花見の名所６６０地点のほか、要望があった「近所の桜」などの予想も出す。サポーターには、携帯電話のカメラ機能を使ってつぼみの状況を定期的に撮影してもらい、メールで写真を送ってもらう。温暖化の影響などを加味した新たな計算式も駆使して、２月中旬に１回目の発表をする予定だ。（二階堂祐介）


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