集団予防接種をめぐるＢ型肝炎集団訴訟の和解協議で、札幌地裁の石橋俊一裁判長は１９日、肝炎の発症から２０年が過ぎて損害賠償の請求権がなくなったとされる原告に対し、最高３００万円の和解金を被告の国が支払うなどとする二次和解案を示した。

　地裁は１月に和解案を示したが、２０年以上前に肝炎を発症した原告の救済策は盛り込まれず、残された争点となっていた。原告、被告双方が二次和解案を受け入れれば、和解の基本合意に向けて大きく前進する。

　二次和解案は、２０年以上前に肝炎を発症し、治療を継続している原告に和解金３００万円、症状が治まった原告に同１５０万円を国が支払う、などの内容。

　１月の和解案では、慢性肝炎の原告に和解金１２５０万円が支払われる。

　国側はこれまでの協議で、２０年以上前に発症した原告にも和解金を支払う方針を表明。未発症の持続感染者への和解金５０万円の算定方法を「一つの基準」にするとしたが、具体額は提案していなかった。

　一方、原告側は、発症時期によって和解金額に差をつけない「一律救済」を求めてきたが、東日本大震災で国の財政状況が厳しくなると予想されることから、「できる限り一律救済に近い解決」も検討している。


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